人は、古来より夜の闇を恐れてきた。
そして闇の中には、人でも獣でもない存在がいると、恐れていた。
妖怪、物の怪、お化け――
しかし、今ではその存在は否定されている。
文明の光によって夜の闇は隅々まで照らし出されたと信じている。
…………本当に、そうだろうか?
夜は、明るくなった。
しかし人の心は、昏い。
人の心の闇にこそ、魔は潜んでいる。
人がいる限り、闇に棲むものもいなくなることはない。
そんな闇の住人たちと、終わりのない戦いを続ける一族があった。
多数の触手を持つ妖怪纏宅(てんたく)は、退魔師である巫女との戦いで傷つき、なんの変哲もない学生の根上浩一の股間に逃げ込み、とりついてしまった。
纏宅に精神を乗っ取られ、自らの股間が触手と化した浩一は、エネルギーを補充して傷を癒すために女を次々と襲い、次第に自らが妖怪そのものとなってゆく……。 |